DESIGNART TOKYOにお越しいただき、誠にありがとうございました。盛会のうち、無事終了いたしました。展示作品の一部は引き続きこちらでお求めいただけます。再生品の、次の使い手が見つかりますよう。
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いっすんぼうし/ おやゆびひめ/ 京おやゆびひめ
¥55,000
子どものためのお椀とスプーンのセット。子ども達に親しみを持ってもらえるように、器やスプーンなどを童話と絡めたデザインに。桐箱にはイラストを配した。 ■作家 Yohko Toda_Urushi Media x the edit ■再生したもの 漆精製の際に出る濾し綿 ■素材 日本産欅、漆、砥粉、地の粉、朱 ■技法 漆芸 / 撓め、朱漆塗りたて、黒漆塗りたて
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re urushi ⅱ
¥20,000
2022年4月、堤淺吉漆店を訪ねました。漆に興味を持ってから一度訪れたいと思っていた場所でした。10~15年かけて生育する漆の木は約200ccの樹液を取ると伐採され廃棄されるといいます。工場の片隅には漆を掻いた痕の残る木がポツンと置かれていました。刻まれた傷を携えた木は何か言いた気で、声が聞こえてくるようでした。そして、漆の製造工程で濾すために使われる綿。ドラムの中で採れたての漆を吸い込み、機械にかけられきれいな漆を生み出すと廃材となります。その形や質感がとても面白いと思いました。 漆の匂い漂う綿を袋にいっぱいいただき、アートピース作りに挑戦することにしました。戸田蓉子さんに朱漆で美しい糸を作っていただき、漆をたっぷり吸い込んだ綿を台紙に見立て、赤い糸を並べていった15点のアートピースです。耳を澄ませてみてください。 ■作家 Yohko Toda_Urushi Media x the edit ■再生したもの 漆精製の際に出る濾し綿
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伝う
¥6,000
花器:漆精製時の廃材である濾し綿 花材:蔦(採取地/ 下鴨神社糺の森、法然院墓地、ヴィラ九条山、蹴上インクライン、南禅寺、哲学の道) 蔦というどこまでも蔓をのばしていく強い植物を再生の象徴としました。 漆というのは漆樹の樹液です。樹の血液や体液のようなもので、木の幹に一筋一筋傷をつけ、滴る1滴1滴を集めます。1本の樹から採取できる漆はわずか200g、 採取し尽くした漆の樹は「掻き殺し」と呼ぶように伐採します。漆掻きの職人達は樹に向かって手を合わせます。 集められた漆の樹液には樹の皮や虫などさまざまなものが含まれ豊かな自然そのものです。これを人間にとっての美しいものにするために「濾す」という作業をします。不純物をとりのぞき滑らかで艶やかな液体へ。こうして樹液から工芸材料となるのです。 まさに<人の手を加える/artificial>→<art>の宿る場。 目を凝らせば、樹の皮も虫もどこかにくっついているかもしれません。 漆という素材を初めて見つけ出したのは石器時代の人々でした。石と木をくっつけて石斧を作るために、周辺の接着剤となる樹液をとってつける。そんな大らかな原初の漆と人間の姿を忘れないでいたいと思います。 ■作家 Yohko Toda_Urushi Media x the edit ■再生したもの 漆精製の際に出る濾し綿 ■サイズ 約350mm〜700mm×約350mm〜700mm×約300mm、約800g